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豊浦の古民家改修工事③
- 2019年02月17日 日曜日
今年の冬は本当に温かく、雪が積もらないですね。昨年の冬は積雪に苦労しましたが、今年は暖冬のおかげで大変助かっています。このまま冷え込みが少なくあっていただきたいものです…
豊浦の古民家改修工事は造作工事の段階に入っています。
今回改修をするLDK空間は断熱空間として、室内間仕切りも含めて断熱工事を行っています。小屋裏空間の利用の仕方も決まり、天井下地の造作工事も進行しています。
着工前の打ち合わせから相談を受けていました件があります。約40年前に新築した際に未使用だった松の板をとっているので、使えるのであれば今回の改修工事に使いたいとのことでした。
このように思いのある材料を使わせていただけることもありがたいですし、地松の板などはなかなか手に入らない素材ですから、絶対使いたいと思い、使う場所を考えておりました。
松の板は40年置いていたこともあり、大変乾燥していましたが、曲り捻りが甚だしく、そのままでは使えない状態でした。使える状態にするために加工場に持っていくことにしました。
加工場にて、板の状態を見ながら、最適なかたちをイメージして板を削る作業を行いました。このような作業をするのが、「木を扱う」ということを最も意識するときです。
ホコリにまみれていた板は製材すると美しい木目を現しました。
加工した板を現場に持ち帰って、取付を行います。天井裏の広い空間を利用してロフトを造りますので、その床材に使用するのが最適と提案しまして、地松板のロフト床を製作いたしました。
素材感溢れる床仕上げとなりました。地松はもはや希少材となり、簡単には手に入らない材料です。
ロフトの床は、下階の天井も兼ねたかたちとしています。このたびの改修工事で新しくなる空間の中で、残していただいたこの高質な素材が空間の質を向上させます。
40年前にあった素材は、現代では手に入らなくなっておりますが、このように大切に残していただいたおかげで、新しい空間に使うことができました。
思いも入った材を使い、住まいのストーリーを次世代につなげていけることは、改修工事においての大事なファクターです。簡単に担えることではないと感じてますので、努力して私たちの強みにしていきたいと思います。
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